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日本で使われなくなった中古農機具を海外で蘇らせる。海外輸出事業を展開して気づいたこと

マーケットエンタープライズ(以下、ME)のグループ会社であるMEトレーディングでは、全国各地で中古農機具を買取し、海外へ輸出している。世界各地で大人気の日本のトラクター。輸出実績は世界80カ国を超える。なんと、その農機具は日本では想像ができない使われ方をしているようだ。農機具として利用されるのはもちろんのこと、ある国ではサンタのソリとして利用され、時には砂漠の上を走っている。今回は、海外でトラクターがどのように活躍しているかを紹介するとともに、海外輸出事業を展開したことで気づいた日本製品の素晴らしさや、輸出には欠かせない技術について紹介する。

日本の中古農機が世界で大人気。海外80カ国以上に輸出し、海を越えて活躍する姿とは

世界80カ国に中古農機を輸出する実績をもつ、MEトレーディング。今回は、海外のお客様とのやり取りを担当している西村に、海外での農機具の使われ方についてインタビューします。

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―― 日本の中古農機が海外で人気ということですが、どの地域で人気なのでしょうか。

西村 :カンボジアやベトナムといったアジアはもちろん、エジプトやイエメンなどの中東でも人気です。直近の輸出データですと、オランダ・フランス・ハンガリーを始めとしたヨーロッパが半数以上になっています。

―― ヨーロッパが半数以上なのは意外でした(理由は後述)!トラクターが海外に渡ったあと、面白い使われ方をしていると伺ったのですが、西村さんの中で一番印象に残っているトラクターはありますか?

西村:サンタのソリとして使われた農機具です。運搬車として出荷した農機具が、まさかサンタのソリになるなんて!と驚き、とても印象に残っています。

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(ハンガリーのお客様からいただいたサンタとソリの写真)

―― 運搬車がとても可愛らしいソリに変化しましたね!ソリとして使用されることは事前に知っていたんですか?

西村:いいえ。もともと、お客様の過去の購入履歴から運搬車を購入しているのを知っていて。たまたま、良い状態の運搬車が入荷できたので、商談をしたところお客様も気に入ってくださって購入につながった案件でした。

―― そうだったんですね!ちなみにこの農機具は普段はどのように利用されているものでしょうか?

西村:普段は運搬車として利用されているものです。土・堆肥・穀物・​果物・野菜などを運搬するために作られた農機具です。

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(普段使用している畑での写真)

―― この画像の運搬車は、20年間ほど日本で使われていたものだと伺いました。なぜ日本の運搬車が選ばれたのでしょうか?

西村:20年使われていたものの、状態がすごく良かったという点と、中古なので値段も抑えられるというのが選ばれた理由です。

もともと日本メーカーの運搬車は、小さくても力強く、とても頑丈といったお墨付きがあります。複数人が運搬車に乗っても心配ないということで、サンタのソリにつながったようです。

アジアで活躍する中古農機具事例

―― ここからは地域別で、農機具の使われ方を紹介いただきたいと思います。アジアでの農機具の使われ方を教えてください。

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(カンボジアのお客様からいただいた水田での写真)

西村:こちらは、カンボジアで利用されている田植え機です。カンボジアのお客様は、毎月バラエティー豊富に購入してくださいますが、特に大型を好まれます。これはアジア全般に言えることで、馬力でいうと50馬力前後が人気です。

―― なぜ、大型が人気なのでしょうか。

西村:就業人口の8割が農業に従事していると言われているほど、カンボジアは農業国家です。農業が発達している国であり、田んぼや畑自体も大きいので、田植え機も力強くて大きなものが好まれます。

また現地に修理技術があるため、故障しているような農機具であっても、現地で修理して新品のような状態で再販できることから、状態問わず多くの農機具を出荷できています。

中東で活躍する中古農機具事例

―― 次に中東で使われている農機具について教えてください。

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(エジプトのお客様からいただいたスイカ畑を走る写真)

西村:こちらは、エジプトのスイカ畑を走るトラクターです。ツタンカーメンの墓からもスイカの種が見つかったといわれるほど、エジプトでは昔からスイカの栽培がされています。スイカ以外にも、カラッとした環境で育つ果物の農園で、トラクターが使われているようです。

―― 砂漠の上を走るトラクターは初めて見ました。日本のトラクターが選ばれる理由は何でしょうか?

西村:理由は、修理がしやすいという点です。農家さんはエジプトの都心部から離れた地域に住む方が多く、故障したときに修理できる人を都心部から呼ばないといけません。

移動するのに平均10時間はかかるそうで、機能はもちろんのこと、素人でも修理がしやすいということが、日本のトラクターが人気の秘密です。

―― 可愛らしい笑顔が印象的です!こちらの画像はどこの国のものでしょうか?

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(イエメンのお客様からいただいたお子様が喜んでいる様子の写真)

西村:こちらはイエメンのトラクターです。イエメン自体ではトラクターはまだ珍しい乗り物です。実際に走る姿を見て、お子さんがとても喜んでいた、ということでこの写真を送ってくれました。

自分が販売した商品がこれだけ喜んでもらえて、目頭が熱くなったのを覚えています。

ヨーロッパで活躍する中古農機具事例

―― 直近の輸出データですとヨーロッパが半数以上と伺いました。現地で活躍する農機具について紹介してください。

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(マケドニアのお客様からいただいたぶどう農園で走るトラクター)

西村:こちらの写真はマケドニアのぶどう農園での様子です。ワインの生産が有名で、輸出するトラクターの7~8割がワイン畑で利用されています。

ブドウの間を走れるという点と、操作がしやすいということから、日本の小型トラクターが大人気です。

―― ワイナリーで活躍しているんですね!マケドニアと言えば、MEトレーディングのメンバーも整備技術者として、現地に行ったこともあると伺いました。具体的にはどんなことをしていたのでしょうか。

西村:新規顧客に向けた使い方の指導ですね。トラクターの使い方であったり、修理の仕方を教えるために、現地に呼ばれたそうです。

言語の壁はありつつも、もともと日本のトラクターはレバー位置やボタン操作がしやすいため、伝えやすかったと言っていました。

―― そういったところからも、リピート購入につながりそうです!次の写真は海で使用されているトラクターですね。こちらはどこの国のものでしょうか。

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(フランスのお客様からいただいた漁船網を引くトラクターの写真)

西村:こちらはフランスで利用されているトラクターで、漁船網を引くために利用されています。私も初めて見たときは驚きました。

日本のトラクターは馬力があって壊れにくいという理由で、フランスでは海で活躍しているようです。

―― 見た目だけですと、少し年季が入ったように見えるのですが、何年頃に作られたモデルでしょうか。

西村:1970~80年代に作られたトラクターです。それでも問題なく動いています。海で使うと水に触れるので錆びてしまいがちですが、それでも頑丈で壊れにくいというのが人気の秘密です。

―― さびても壊れない!日本の商品は頑丈ですね!次の画像はビニールハウスと木箱が見えます。どこの国のものでしょうか。

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(オランダのいちご農園で活躍するトラクターの写真)

西村:こちらは、オランダのいちご農園で活躍するトラクターです。オランダでは小・中型のトラクターが人気で、多くは農園で使われています。

海外だと大型のトラクターが一般的に販売されていて、小型の流通が少ないためです。あっても新品で高いので、中古品が人気です。

―― オランダへは毎月輸出しているものの、「在庫が足りない」と言われていると伺いました。回転率が早い理由はあるのでしょうか?

西村:オランダの場合は、現地での修理技術があるので、その人たちが新品かのように蘇らせて再販しているからです。

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(オランダのお客様からいただいた修理シーンの写真)

西村:またヨーロッパは陸続きなので、オランダ内だけでなく、イタリアやフランスにも販売しているため、すぐに売り先が見つかると聞いています。なのでメーカーや形に拘らず、バラエティー豊かに購入してくれています。

―― ヨーロッパならではの販路ですね!お次は雪国での写真ですね。こちらはどこの国のものでしょうか。

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(リトアニアのお客様からいただいた除雪シーンの写真)

西村:こちらは北欧のリトアニアの様子です。20~30馬力ほどの大きなトラクターが人気で、かつ四駆が好まれます。

二駆だと、雪の上では動かなくなってしまうからです。除雪機として利用されることも多く、前にあるアタッチメントを変えて利用しているそうです。

―― トラクターが農業の場面以外でも活用しているのですね。雪のシーズン以外はどのように使われているんですか?

西村:前のアタッチメントをブラシに変えて、道路の掃除に利用しているようです。

トラクターは、アタッチメントを工夫するだけで、さまざまな利用が可能になるので、世界各国の用途に合わせて活躍しているようです。

実際にトラクターが動いている映像はこちら▼
UMM農機具ちゃんねるhttps://www.youtube.com/watch?v=451rpk3xeSs

中古農機具の海外輸出を通して分かった「日本製品の素晴らしさ」

中古農機具の海外輸出事業を担うMEトレーディングは、2020年5月にM&Aしたことで生まれたグループ会社です。

もともとMEが強みとして持っていたWebマーケティングの集客力や、創業時から蓄積されているEC販売のノウハウを連携させることで、相乗効果を発揮。

越境ECならびに海外にコンテナで輸出を行う体制を築くことで、国内最大級の農機具専門の輸出商社として成長を続けています。

ここからは、事業担当者にインタビューして分かった、日本製品の素晴らしさや、輸出には欠かせない技術について紹介します。

中古農機具が海外の方から愛されている理由

ユーザー目線で作られているというのが一番のポイントです。操作するレバーが手の届く場所にある、操作ボタンが分かりやすいなど、他の海外製よりも操作しやすいことが好まれる理由です。

また、30~40年経った古いトラクターでも壊れにくく、修理がしやすいというのも理由の一つです。古い商品は、複雑なコンピューターなどが組み込まれておらず、シンプルな作りになっているため、海外の人にとっても修理がしやすくなっています。

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(MEトレーディングが保管してる中古農機具)

さらに、日本メーカーの信頼度も大きいです。中古といえども、農機具は高額の商品になりますが、Used in Japan自体がブランドとなって、安心感をもって購入されるケースが多いです。

輸出先の半数をしめているヨーロッパでは、もともとモーター系やヨットでも日本メーカーが使われることが多いため、メーカーの知名度も高く取引につながっているようです。

万全な状態でお届けする。海外に輸出するために欠かせない技術とは

壊れたエンジンをも蘇らせる修理技術

基本的には、買取時の状態で輸出しますが、修理したほうが高く販売できるものもあるため、そういったものは修理してから出荷しています。

水漏れやライトの不具合といった修理から、エンジンの故障を直す修理まで、幅広く対応しています。

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商品の中には、出張買取の現場では動かず、ジャンクで買取するものもあります。しかし、不具合の理由によっては修理してエンジンを蘇らせることも可能で、その技術を用いて、豪雨災害で故障してしまった農機具を蘇らせるプロジェクトも2020年にスタートしました。

浸水した農機はエンジンからの引火や火災の恐れがあるため、農機具専門の修理エンジニアだからこそできることです。

▶Press release:豪雨災害で故障の農機を修理し、海外で蘇らせるプロジェクトについて

コンテナに商品を積み込む技術

お客様によって、積み込みのオーダーが異ります。要望に沿った積み込みを意識し、一品でも多くの商品を積み込んでほしいというお客様には、たくさんの商品が入るように計算して積み込みをします。

その際に活用しているのが木枠です。木枠で2階建てにすることで、上下に収納できるスペースを作っています。

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(バンニングの様子)

また、タイヤを外したほうがスペースを削減できるので、胴体からタイヤを外して積み込み、外したタイヤを緩衝材にする工夫もしています。

一方で、届いた後にすぐ取り出せるようにしてほしいというお客様もいるので、そういったお客様には、届いた後の取り出しやすさを意識した配置にしています。

商品を積み込む際は、商品同士がぶつかると破損につながるため、細心の注意を払いながら積み込みをしています。

過去には、最大100個の商品を積み込みしたことがあり、それを可能にしたのは、経験による商品配置の設計と、フォークリフトの運転技術があってこそです。

コミュニケーションから生まれる絆。世界80カ国とつながる秘訣

メールでのコミュニケーション

普段はメールでのやり取りがほとんどです。常に意識していることは、返信スピードです。

時差があるため、連絡のタイミングによっては当日返事がもらえず、その1日の遅れによって船手配できないことも。あまり便数の無い航路だと1ヶ月出荷が遅れてしまうこともあります。

また、英語が母国語でない方も多いため、コミュニケーションにおいては曖昧な表現はしないように心がけています。私たちが何をしたいのか、何をしてもらいたのかを明確に表現しています。

また、取引とは異なるフランクなやり取りもするようにしています。日本はこんなことがあったよと、日本情報の定期的な発信です。

最近だと田植えの写真を送り、反響がありました。

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(現地に届いたトラクターを紹介してくれているリトアニアのお客様)

このような取り組みをしていると、どんなふうにトラクターを使っているか、お客様から動画メッセージをいただけるようになりました。

手紙と写真のサプライズ

コンテナに入れた商品と併せて、手紙と写真を必ず同梱しています。普段はメールでのやり取りが多いため、なかなか伝えきれない思いや熱量を届けるためです。

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お客様にはサプライズで送るため、届いたあとに喜んで写真を送ってくれる方も多いです。

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(左:リトアニアのお客様、右:ウクライナのお客様)

このようなコミュニケーションにより、単なる商品の売買を超えた関係性が構築てきていることもあり、リピーターのお客様も数多くいらっしゃいます。

中古農機具を海外へ輸出。必要な人のもとへ届ける架け橋となる

日本の中古農機具はまだ使えるにも関わらず、「地域的に農機具を買取ってもらえる事業者がいない」、「世界で需要があっても輸出ノウハウを持っていない」といった理由で廃棄を余儀なくされるケースが少なくありません。

MEではこれらの課題を解消すべく、日本全国の農家の方をはじめ、全国各地の農機具販売店様からも中古農機具を買取り、国内外を問わず、必要としている方のもとへお届けしています。

一つでも多くの商品を蘇らせることができれば、廃棄物の削減に貢献するなど、社会的にも意義のあることだと考えています。

今後も、国内の農家の方だけでなく、国内の農機具店様や農機具メーカー様ともより一層連携を深めることで、国内はもとより海外に至るまで農機具市場を活性化させることで、持続可能な社会の実現に向けて取り組んで参ります。

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<お問い合わせについて>
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